
いまい動物病院
猫の混合ワクチン、毎年?3年?抗体検査?種類?副作用?徹底解説!
更新日:2021年7月8日

みなさん、猫ちゃんにもワクチンを打つのを知っていますか?
人間がインフルエンザの予防接種を受けたり、赤ちゃんの時に混合ワクチンを打ち病気を予防するのと同様、猫にもワクチンを打って、猫特有の病気を予防します。
特に、半年以内の子猫ちゃんは免疫力が弱く、怖い病気や風邪の病気になりやすいんです。そのためにワクチンを打ってあげて、病気から守ってあげましょう。
猫のワクチンの種類
猫のワクチンにはいくつか種類があり、様々な感染症に対したワクチンを混ぜ合わせて作った混合ワクチンが主に存在します。
3種混合ワクチン(コアワクチン)
猫ウイルス性鼻気管炎(猫ヘルペス)、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症
4種混合ワクチン
3種混合ワクチンに加え、猫白血病ウイルス感染症
5種混合ワクチン
4種混合ワクチンに加え、クラミジア感染症
7種混合ワクチン
5種混合ワクチンに加え、猫カリシウイルス(2種類)
〜どのワクチン打てばいいの?〜
コアワクチンである3種混合ワクチンが日本では猫の混合ワクチンとしては浸透しています。猫ウイルス性鼻気管炎、猫カリシウイルス感染症、猫汎白血球減少症は空気感染をし、感染力も強いので、室内でしか飼ってないよという猫ちゃんにも推奨されています。
4種、5種混合ワクチンは外に行き来する猫ちゃんに推奨されています。猫白血病ウイルス感染症は外猫は約10%感染しているとも言われ、感染経路はケンカをした時や交尾の際に傷が付き感染してしまいます。その他には、グルーミングや同じ食器で食餌をするなどでも感染することがあります。
さらには単体ワクチンとして、猫免疫不全ウイルス感染症(FIV)があります。
猫のワクチン接種の頻度
ワクチンを接種する頻度に関して、日本国内でも世界各国でもバラバラであったため、ワクチンプログラムを世界的に一つにしようということで、世界小動物獣医師会(WSAVA)がワクチネーションガイドラインを作っています。
これについてまとめた記事がありますので、チェックしてみてください。
子猫の場合
初めてのワクチンは8〜9週齢で接種(シェルターにいる子猫の場合は4週齢が推奨)
その後、3〜4週ごとに接種
最終接種は16週齢以降に必ず1度接種
その1年後に1歳の子はブースターとしてワクチンを接種する
成猫の場合
コアワクチン(3種混合ワクチン)は3年以上の間隔で接種
〜今まで毎年接種してたのに3年ごとで本当に大丈夫?〜
確かに今までは猫のワクチンは毎年打ちましょうと言われてましたが、科学的にも、それは必要ないという結論に至ってます。室内で飼われている、ペットホテルを利用しないなどの条件であれば3年ごとに接種しましょう。多頭飼いや室外へ出る、ペットホテルを利用する場合は毎年接種した方がいい場合もありますので、かかりつけの獣医さんに相談してみてください。
〜抗体価検査ってなに?〜
当院では毎年の猫のワクチンの抗体価検査を推奨しています。なぜなら、抗体があるかどうかをチェックすることで抗体検査の結果次第ではワクチン接種を見送ることもできます。また、免疫の出来にくいかどうかなども把握出来ます。
それぞれの猫によっても抗体の持続期間はそれぞれによっても違います。ですので、抗体検査をおすすめしています。血液を一滴取るだけですので、簡単に安全に出来ます。
〜ワクチンはどこに接種するの?〜
ワクチンは主に後ろ足の一部、太ももに接種します。背中や肩甲骨に接種していた時代もありましたが、ワクチン関連肉腫という注射部位への副作用の可能性が稀にあります(主に猫白血病ウイルス感染症・狂犬病ワクチンが原因)。そのため、万が一のために、手術が行い易いように、接種部位として後ろ足、太ももが一般的になっています。
猫のワクチン接種の注意事項
ワクチンは毒性をなくしたり、弱毒した細菌やウイルスの抗原を体内に入れるので副作用が起こることがあります。
例えば
食欲不振
元気がなくなる
下痢
嘔吐
発熱
体温低下
呼吸異常
よだれ
震え
顔のむくみ
体の痒み
アナフィラキシーショック
ワクチン関連肉芽腫
必ずワクチンを打つときは健康、元気な時に接種してください。また、治療中の病気がある場合はかかりつけの獣医さんに相談してみてください。おすすめは午前中にワクチンを打つことです。万が一ワクチン接種後に副作用が起こった場合、午後に対処できるからです。ワクチン接種後は1日お家で激しい遊びなどは避け、ゆっくりさせることが大切です。上記のような副作用がみられた場合は必ず、近くの動物病院に相談してください。
みなさんの大事な猫ちゃんを怖い感染症から守るためにも、猫のワクチンは必ず接種しましょう。全ての感染症が防げるわけではありませんが、感染してしまった場合にはワクチンのおかげで軽症で済むこともあります。さらには他の猫ちゃんへ感染させる、感染させられることを防ぐことが出来ます。感染症予防にはとても大事な医療の1つです。
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